事業仕分け対象(経済産業省分) ― 2009年11月12日 22時37分01秒
11月9日に発表された「事業仕分け対象一覧」から,今度は経済産業省所管のものを列記します.
文部科学省と比べると産業寄りではありますが, 国の根幹をなす基礎研究,将来を担う新エネルギー,環境に関する研究の予算が挙げられています.『コストカット』を考えるあまり,国家戦略に矛盾が生じないか気掛かりです.
文部科学省と比べると産業寄りではありますが, 国の根幹をなす基礎研究,将来を担う新エネルギー,環境に関する研究の予算が挙げられています.『コストカット』を考えるあまり,国家戦略に矛盾が生じないか気掛かりです.
- 産学連携による留学生向け実践的教育事業
- 東アジア経済統合研究協力事業
- 生体機能国際協力基礎研究の推進
- 経済産業人材育成支援研修事業
- コンテンツ産業強化対策支援事業
- 生活関連産業ビジネス拠点支援事業
- サービス産業生産性向上支援調査事業
- 国家備蓄石油管理等委託費
- 土壌汚染環境保全対策事業
- 経年埋設内管対策費補助事業
- 新エネルギー等導入加速化支援対策費補助金
- エネルギー使用合理化事業者支援事業
- 住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金
- 高効率給湯器導入促進事業費補助金
- 電源立地地域対策交付金
- 中小商業活性化支援事業・中小商業活力向上施設整備事業
- 戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金
- 新事業活動促進支援補助金
- 市場志向型ハンズオン支援事業
- 経営力向上・事業承継等先進的支援体制構築事業
- ものづくり中小企業製品開発等支援補助金
- 研究開発(100%国費のもの)
- 同(2/3補助のもの)
- 同(1/2補助以下のもの)
- 国際エネルギー消費効率化等モデル事業
- 低炭素社会実現プロジェクト
- 安心ジャパン・プロジェクト
- 産業技術総合研究所運営費交付金
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構運営費交付金
- 中小企業基盤整備機構運営費交付金
- 日本貿易振興機構運営費交付金
- 情報処理推進機構運営費交付金
- 石油天然ガス・金属鉱物資源機構運営費交付金
- 原子力安全基盤機構運営費交付金
技術者,研究者の事がよく分かる文庫本 ― 2009年11月13日 08時04分15秒
今日の「事業仕分け」が気になります.文教関連の予算をどこまで削るのでしょうか.
国会議員に科学技術に関する素養がどれくらいあるのかが,垣間見えてくるかも知れません.
マスコミはなかなか報じないので,それも気掛かりです.テレビですとNHKは時々科学関係の話題を大きく取り上げますが,民放は昔に比べて最近は全然ダメな気がします.新聞はノーベル賞などの時は大きく取り上げますが,それ以外でも科学面というところがあり,しばしば注目に値する記事が載ります.
そのなかで私が注目しているのが,「研究者,技術者の現状」を捉えた記事です.今日はその記事をまとめた文庫本を紹介します. もちろん,研究者,技術者で取り上げられていないパターンはかなりあります.でも,どういう事を考えてどう取り組んでいるかという事が分かる良書だと思います.
最近は
「文系・大卒・30歳以上」がクビになる―大失業時代を生き抜く発想法 (新潮新書)
なる本が出ていますが,この本を読む前に上記の3冊を読んで自分を取り巻く社会の将来,日本の将来を少し考える事の方が重要だと思います.
マスコミはなかなか報じないので,それも気掛かりです.テレビですとNHKは時々科学関係の話題を大きく取り上げますが,民放は昔に比べて最近は全然ダメな気がします.新聞はノーベル賞などの時は大きく取り上げますが,それ以外でも科学面というところがあり,しばしば注目に値する記事が載ります.
そのなかで私が注目しているのが,「研究者,技術者の現状」を捉えた記事です.今日はその記事をまとめた文庫本を紹介します. もちろん,研究者,技術者で取り上げられていないパターンはかなりあります.でも,どういう事を考えてどう取り組んでいるかという事が分かる良書だと思います.
最近は
「文系・大卒・30歳以上」がクビになる―大失業時代を生き抜く発想法 (新潮新書)
なる本が出ていますが,この本を読む前に上記の3冊を読んで自分を取り巻く社会の将来,日本の将来を少し考える事の方が重要だと思います.
次世代スパコン,大幅縮減 ― 2009年11月13日 13時39分15秒
今日はランキング22位!ありがとうございます.
さて,暗いニュースを一つ.昨日のエントリーで挙げた次世代スーパーコンピューティング技術の推進ですが,「限りなく予算計上見送りに近い縮減」とのことです.
詳しい中身はまだ分かりませんが,この後に続く「仕分け作業」でも同様の事が続くと考えると,日本の科学技術の将来は真っ暗な気がします.
週明けの16日のスケジュールはこちらに出ています.教員免許関係は,「10年で更新」というのを辞めればいいのではと思いますが,他に大きな予算がかかっているところはどこでしょうか.「キャリア教育・職業教育」も,整備しないと失業者や低賃金で雇用されている方たちが浮かばれない恐れがあります.
文教関連以外では,関空の処遇が気になるところです.
新政権の戦略が本当にコンクリートから人へなのか,私は疑問に思います.
海外出張のため,少し更新が途絶えます.ご了承ください.
さて,暗いニュースを一つ.昨日のエントリーで挙げた次世代スーパーコンピューティング技術の推進ですが,「限りなく予算計上見送りに近い縮減」とのことです.
詳しい中身はまだ分かりませんが,この後に続く「仕分け作業」でも同様の事が続くと考えると,日本の科学技術の将来は真っ暗な気がします.
週明けの16日のスケジュールはこちらに出ています.教員免許関係は,「10年で更新」というのを辞めればいいのではと思いますが,他に大きな予算がかかっているところはどこでしょうか.「キャリア教育・職業教育」も,整備しないと失業者や低賃金で雇用されている方たちが浮かばれない恐れがあります.
文教関連以外では,関空の処遇が気になるところです.
新政権の戦略が本当にコンクリートから人へなのか,私は疑問に思います.
海外出張のため,少し更新が途絶えます.ご了承ください.
13日の事業仕分けの結果 ― 2009年11月14日 09時48分40秒
アクセスランキング12位!本当にありがとうございます.
さて,11月13日の「事業仕分け」ですが,文教関連の予算が大幅に削られています.これでは日本の科学技術が非常に危ういです.
評決結果です.
今回は,各々の項目に対するリンクを貼りました.この事業が重要かどうか,ご覧いただければある程度は分かるのではと思います.
さて,11月13日の「事業仕分け」ですが,文教関連の予算が大幅に削られています.これでは日本の科学技術が非常に危ういです.
評決結果です.
今回は,各々の項目に対するリンクを貼りました.この事業が重要かどうか,ご覧いただければある程度は分かるのではと思います.
- 次世代スーパーコンピューティング技術の推進:来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減
- 大型放射光施設(SPring-8):1/3から1/2程度予算縮減
- 植物科学研究事業,バイオリソース事業:1/3程度予算縮減
- 深海地球ドリリング計画推進:予算要求の1割から2割縮減
- 地球内部ダイナミクス研究:少なくとも来年度の予算の計上は見送り又は予算要求の半額縮減
- 科学技術振興調整費[予算]:予算は整理して縮減
- 科学技術振興調整費[制度]:一元化も含めシンプル化
- 科学研究費補助金:予算要求の縮減
- 特別研究員事業:予算要求の縮減
- 世界トップレベル研究拠点 (WPI)プログラム:予算要求の縮減
- 学術国際交流事業:予算要求の縮減
- 知的クラスター創成事業,都市エリア産学官連携促進事業等:廃止
- 産学官連携戦略展開:廃止
- 地域イノベーション創出総合支援:廃止
- 理科支援員等配置事業:廃止
- 日本科学未来館:予算縮減
日本科学未来館 館長 毛利衛氏のコメント
事業仕分けで問題となるのは ― 2009年11月14日 10時36分01秒
「事業仕分け」でかなり予算削減とされています.
この仕分け作業に批判が出ているようです.
私が見ていて問題だと思うのは,
国が支えなければ実施できない巨額予算を要するプロジェクトに対し,その分野の専門家でない人が短時間で存廃を決定すること だと思います.行政刷新会議ワーキンググループ(WG) 評価者名簿(民間有識者)(案)というものを見てみます.文教関係は第3WGです.例えば予算の大幅縮減が決まった『次世代スーパーコンピューティング技術の推進』ですが,金田康正氏は大型計算機の専門家です.他の方は,自然科学の研究で大きな業績をなした方ですが,計算機の専門家でない方が数名いらっしゃいます.さらに,科学技術研究とどうつながりがあるのか私には分からない方がいらっしゃいます.こういう方々が1時間のやり取りで多数決により決定するのは,乱暴すぎるのではないでしょうか.
研究者の内部で賛否両論のある科学研究費補助金では,研究者が提案する研究課題について,大変時間をかけて審査をします.次年度からの研究費の申請をちょうど締め切ったところで,これから慎重に審査されます.流れはこちらにあります.特に,総額数億円となる特別推進研究の念入りさを見ていただければ,今回の事業仕分けがいかに乱暴な噺家が分かるかと思います.
この仕分け作業に批判が出ているようです.
私が見ていて問題だと思うのは,
国が支えなければ実施できない巨額予算を要するプロジェクトに対し,その分野の専門家でない人が短時間で存廃を決定すること だと思います.行政刷新会議ワーキンググループ(WG) 評価者名簿(民間有識者)(案)というものを見てみます.文教関係は第3WGです.例えば予算の大幅縮減が決まった『次世代スーパーコンピューティング技術の推進』ですが,金田康正氏は大型計算機の専門家です.他の方は,自然科学の研究で大きな業績をなした方ですが,計算機の専門家でない方が数名いらっしゃいます.さらに,科学技術研究とどうつながりがあるのか私には分からない方がいらっしゃいます.こういう方々が1時間のやり取りで多数決により決定するのは,乱暴すぎるのではないでしょうか.
研究者の内部で賛否両論のある科学研究費補助金では,研究者が提案する研究課題について,大変時間をかけて審査をします.次年度からの研究費の申請をちょうど締め切ったところで,これから慎重に審査されます.流れはこちらにあります.特に,総額数億円となる特別推進研究の念入りさを見ていただければ,今回の事業仕分けがいかに乱暴な噺家が分かるかと思います.
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