事業仕分けで問題となるのは2009年11月14日 10時36分01秒

「事業仕分け」でかなり予算削減とされています.
この仕分け作業に批判が出ているようです.

私が見ていて問題だと思うのは,
国が支えなければ実施できない巨額予算を要するプロジェクトに対し,その分野の専門家でない人が短時間で存廃を決定すること だと思います.行政刷新会議ワーキンググループ(WG) 評価者名簿(民間有識者)(案)というものを見てみます.文教関係は第3WGです.例えば予算の大幅縮減が決まった『次世代スーパーコンピューティング技術の推進』ですが,金田康正氏は大型計算機の専門家です.他の方は,自然科学の研究で大きな業績をなした方ですが,計算機の専門家でない方が数名いらっしゃいます.さらに,科学技術研究とどうつながりがあるのか私には分からない方がいらっしゃいます.こういう方々が1時間のやり取りで多数決により決定するのは,乱暴すぎるのではないでしょうか.
研究者の内部で賛否両論のある科学研究費補助金では,研究者が提案する研究課題について,大変時間をかけて審査をします.次年度からの研究費の申請をちょうど締め切ったところで,これから慎重に審査されます.流れはこちらにあります.特に,総額数億円となる特別推進研究の念入りさを見ていただければ,今回の事業仕分けがいかに乱暴な噺家が分かるかと思います.

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