「事業仕分け」11月17日作業スケジュール2009年11月16日 00時42分43秒

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行政刷新会議「事業仕分け」作業スケジュール 11月17日が公開されました.
文教関連に注目します.巨額の予算を必要とする事業が出てきました.
  • (独)宇宙航空研究開発機構1(GXロケット)
  • (独)宇宙航空研究開発機構2(宇宙ステーション補給機 (HTV)等)
  • 競争的資金(その他分野特定型(原子力システム研究開発事 業、先端計測分析技術・機器開発事業))
  • (独)日本原子力研究開発機構1(高速増殖炉サイクル研究開発)
  • (独)日本原子力研究開発機構2(高レベル廃棄物処分技術開発(深地層部分)、国際熱核融合実験炉研究開発(ITER (サテライト・トカマク計画))
  • 競争的資金(ライフサイエンス分野)
  • 競争的資金(女性研究者支援)
  • 研究環境国際化の手法開発
順番に見ていきましょう.ネットワークが不調なので,一部リンクが抜けていたり,最適でないところになっていたりします.
まずは宇宙開発関連です.GXロケットはJAXAと日本の航空宇宙関連の民間企業,アメリカのロッキード社が共同で開発している中型ロケットです.日本の宇宙開発事業の商業利用(例えば人工衛星打ち上げ事業)を目指すものです.人工衛星の打ち上げでは日本は高コストですが,改善しようというものと考えられます. 宇宙ステーション補給機は,国際宇宙ステーションに物資を輸送するためのロケットです.NASAのスペースシャトル計画が終了に近づいており,日本の技術に期待が集まっているところです.
次に原子力関連です.高速増殖炉サイクル研究はもんじゅの事です.1995年以来運転が停止していますが,そろそろ再運転を行うとの事.賛否両論がありますが,現在のウランの使い方では100年程度で枯渇する事を考えると,進めておいた方がいい研究であると思います.安全確保に向けた資料を作成しており,本気で運転再開を目指しているところです.高レベル廃棄物処分技術開発(深地層部分)とは,高レベル放射性廃棄物の最終処分方法を研究するものです.日本ではまだ深さ数百mの穴を掘っているだけで,実際に放射性廃棄物を埋めている訳ではありません.ITER (サテライト・トカマク計画)というものは,国際協力の核融合炉に関わるものです.です.フランス南部のカダラッシュというところに建設を進めておりますが,日本では核融合の研究がかなり進んでいるために,相補的な役割を担う事が期待されています.その相補的な役割を果たすための研究予算です.

他の予算で気になるものがあります.「消防関係補助金」(消防防災施設整備費補助金、緊急消防援助隊設備整備費補助金)というものが対象です.これも削ったら,災害時に国民の人命を救えるのか気になります.「コンクリートから人へ」なのか,怪しいものです.

「業務仕分け」16日の動き2009年11月16日 15時20分19秒

「業務仕分け」は16日の動きも過激です.民主党政権は日本をどこへ導こうとしているのでしょうか.

本日実施された教員免許関連は
  • 教員免許更新制の廃止に伴う新制度などの調査検討費は半額程度削減
  • 新制度移行までの関連費用は3分の1から半額程度に削減
  • 免許更新制度は早期にやめるように
とのこと.免許更新を廃止して制度を変えるための費用を削減というのは不思議な話の気がします.今の制度を変えて,一体どういう制度にすればいいのか検討する機会を作らないつもりなのでしょうか.もっとうがった見方をすると,「支持母体である日教組の思し召しのままに制度を変更せよ」ということなのでしょうか.
他にも,住宅金融支援機構への出資金が減額されます.これでは国民は住宅を買いにくくなりますし,来年に迫るといわれる「10年金利固定ローンの11年目」に機構がどう対応するのか気になります.うっかりすると,日本からもサブプライムローン問題が発生する恐れがあるというのが現状であるのに,不思議です.
また,関西国際空港の補給金が凍結されます.非常に経営がまずく,負のスパイラルに陥っていると見られる関西国際空港は,一体どうなることでしょうか.
明日はいよいよ日本の科学技術に関する国家プロジェクト,国際プロジェクトの予算が扱われます.今までの推移を見ると,大幅な削減が避けられないでしょう.日本の科学技術の未来が真っ暗になるとともに,国際的な信用を失いかねません.もちろん,原子力予算削減は2020年の国際公約達成を非常に難しくします.もともと難しい国際公約が,ほぼ不可能になるのではないでしょうか.

民主党の描く日本の姿?2009年11月16日 15時27分43秒

海外出張の出張先でのパーティーの後なので,ちょっとアルコールが入っているので,暴走はご容赦ください.

友人と,「事業仕分け」を見て現政権が日本の将来をどうするのか,日本人にどうしてもらいたいのかを想像してみました.「事業仕分け」の予算削減の方向,およびマニフェストなどの政策を見ると,こんな感じになりそうです.
  • 日本人に高等教育は不要である.
  • ましてや,世界最先端を競う科学技術は不要である.
  • 国民は内容の薄い義務教育を受け,高校へ進学せずに中卒で安い労働力として仕事をせよ.
  • そしてさっさと結婚して子どもを作れ.
  • 子育て費用は配るから,子どもをどこかに預けたりせず,自分たちで子どもは育てよ.
女性の社会進出に関しては,政策に矛盾が生じているので判断しかねます.でも,おおよそこんな感じでしょう.義務教育費,だ国立大学法人運営費が「事業仕分け」の対象になり,先端研究の予算は大幅削減.一方で15歳までには「子ども手当」で手厚く保護.託児所の問題は先送り.
中卒で一斉に勤務という話は,高度経済成長期の日本ではありました.今と違うのは,義務教育までの教育が今より充実していた事,日本の人口は増加していた事(内需拡大の追い風があった事)です.今は50年前よりも教育内容が薄っぺらになり,人口は減少傾向です.国家の累積赤字が年間予算の数倍という異常事態もありませんでした.
この政策,行き着くところは修復不可能なほどの国の破綻ではないかと思います.