Natureに日本の科学技術予算関連の記事続々2009年12月03日 22時14分48秒

Natureにこれも載ったそうです.

日本の科学者、政府の科学技術予算削減への抗議に結集

ノーベル賞,フィールズ賞受賞者が会見を行った話です.この件に関しては,研究者の中でも賛否両論があります.
Natureにはさらに続報があります.

日本での科学技術予算削減の提言に激しい抗議の声

それから,Nature編集者の執筆したものにもこういうのがありました.

民主的誤謬(ごびゅう)

書き出しを転載しますと

公聴会方式で予算配分を決めようという日本の取り組みは、日本自身のためになり、科学のためになるかもしれないが、今のやり方ではそうはならない。

全くその通りだと思います.これでは世界に対して「日本は科学技術開発をやめます」と宣言している様なものです.

次世代スパコンの必要性2009年12月05日 17時40分20秒

東京大学情報基盤センターが,次世代スパコンの必要性について記者会見を行ったそうです.
TOP500という,半年に一度,決まった計算の処理能力ランキングを更新するサイトがあります.この「決まった計算」がスーパーコンピューターで実際に行う計算とどれだけ関係があるのかが議論の対象となっているので,あくまで参考となる値の一つと思うといいでしょう.
現在の世界一はアメリカのオークリッジ国立研究所にあるJaguer(ジャガー)と名付けられたシステムです.6コアのOpteron 2.6GHzという,一見そこら辺で売っているCPUを39027個使ったシステムです.これだけの数のCPUを効率よく動かすのは大変なのですが,実測値で1.759TFlops出ています.(理論ピークは2.331TFlops)
日本の最速は,地球シミュレータ2で31位です.1280個のCPUで122.4TFlopsですので,効率は非常にいいです.(が,システムは非常に高いです)
更新前の地球シミュレータは,2002年6月〜2004年6月まで5期も世界一でした.これでアメリカは「スプートニク以来のショック」と大慌てになったそうです.
次世代計算機は10TFlopsを目指すとの事ですが,地球シミュレータのように2年半も独走という訳にはいかないでしょう.

日本天文学会からの声明2009年12月05日 23時32分26秒

日本天文学会からの声明が出ていました.
事業仕分けと科学研究の将来について
天文学の場合は他の自然科学分野とは異なり,その成果が日常生活にどう影響を及ぼすかというコスト面での評価が非常に難しいという点が,今回の仕分け人の観点とはそぐわない気がします.

高校訪問2009年12月06日 23時20分28秒

昨日,久しぶりに高校を訪ねてみました.おそらく3ヶ月ぶりくらいです.
昨年,私の授業を受けた生徒たちと少し話をする機会があったのですが,「事業仕分けで蓮舫にメチャクチャにされて,仕事が危ういかも」と話したら大ウケでした.
ストレートに大学に入り,卒業して大学院に進学せずに就職するのは5年ほど先です.修士課程まで進むと7年ほど先です.話をしたのは理系志望の生徒ばかりでした.彼らが社会に出る頃,研究者,技術者が絶望に陥る様な事態になっていないよう,現時点で活躍する方達が反論するのは重要な事だと思います.