文部科学省の平成22年度予算2010年01月03日 10時13分42秒

文部科学省の平成22年度予算が公開されています.12月28日までに「平成22年度文部科学省 予算主要事項」と「事業仕分け結果・国民から寄せられた意見と平成22年度予算(案)における対応状況(平成21年12月25日)」が掲載されています.
後ほど精査してみます.

すばる望遠鏡などの運営経費削減の危機に対するアピール2010年01月10日 17時20分16秒

国立天文台のWebページから
すばる望遠鏡などの運営経費削減の危機に対するアピール
事業仕分けで、国立大学運営費交付金のうち特別教育研究経費が縮減されました。わかりやすく説明すると、国立大学の職員の人件費はそのままですが、実験機器の維持費が減らされたという訳です。
これではやはり、科学技術を担う人々を教育する事が困難になります。
そこで、国立天文台長が仕分けに関して、国民から広く意見を募集しています。個人的には、ン千億円の観測機器を新たに作ろうという訳ではないので、支持していいかなと思います。ただ、この手のプロジェクトは新たに立ち上がっても、人件費が増えない(全職員数が増えない)ので、プロジェクトに携わった若手研究者がいずれ職にあぶれるという問題を抱えています。こちらも解決しないと不十分だと思います。

久しぶりに高校へ2010年01月14日 23時08分51秒

高校時代の恩師に「たまに遊びにこい」といわれたので,週末に覗いてみようかと思います.私立なので,土曜日も授業があるのです.
政権交代で「高校の授業料無償化」が公約となっていたので実現されるようですが,私立は無料にはなりません.補助が出るだけです.
高校,大学,大学院での短い教育経験から考えると,「授業料無償化」は長い目で見るといい事ではありません.
  • 無料であると,受けるありがたみがなくなる.
  • 無償化では学校の予算が大丈夫なのだろうか.例えばただでさえ実験予算が少ないので,増えるのは絶望的.
  • そもそも,すかすかになった「ゆとり教育」を直すべき.
授業料が無料だからといって,すかすかの授業を受けたのでは何もならず,塾に高い授業料を払う事になるのではないでしょうか.それよりもむしろ,塾に行かなくても学力がしっかりつくように,公立学校の教育内容を充実させる方がよほど大事なのではと思います.
大学で,工学部なのに中学生の数学が出来ない学生が続出して愕然としました.団塊の世代の大量退職で,彼らですら「技術者」として現場で業務に従事する事を考えると,非常に恐ろしい事になると思います.

タイムマシンとどこでもドアは同類?2010年01月18日 23時26分52秒

久しぶりに高校へ出かけて行き,恩師や高校生と話をしました.
特殊相対性理論の話でふとした疑問がわいてきました.特殊相対性理論では真空中の光速より速く移動する事は禁止されます.ところで,ドラえもんのどこでもドアを考えると,一瞬ではるか彼方へ行く事が出来ます.これは光速を超える移動と言う事になります.(Minkowsky時空での『空間的』な2点を結ぶ事になります.)
一方,タイムマシンをどうやって作るかというまじめな研究があり,そこでははるか遠くに離れた2点をむすぶようなワームホールを使ってやればいいのではと考えられています.実際には普通の物体がワームホールを通り抜けようとすると,ワームホールが不安定になったり,物体が潮汐力で破壊されたりしてうまくいきませんが,『抜け穴』を考えているようです.
この二つを考えると,ドラえもんの『どこでもドア』と『タイムマシン』は同類という事になるでしょう.

期待できそうなOpenCLの日本語テキスト2010年01月18日 23時31分57秒

数値計算の分野では,一昔前はCRAY-1のような「ベクトルコンピューター」がもてはやされました.現在はコストパフォーマンスの面から,PCで使われるようなプロセッサを多数組み合わせる「並列コンピューター」が使われる事が多くなってきました.いずれも,単体のCPUを使う場合に比べ,プログラミングに工夫が必要です.
ここ1,2年は消費電力,コストパフォーマンスの面から,グラフィックチップ等を数値計算に使うGPGPUと呼ばれる技法が注目されています.グラフィックチップのメーカーにより,プログラミングの方法が独自に発展していて,いくつものメーカーのものを使いこなす事が難しい状況でした.現在は様々なプロセッサでプログラミングを行うためのオープンな規格として,OpenCLというものが策定されてきています.
今日は,もうすぐ発売のOpenCLのいいテキストをご紹介.OpenCL入門 - マルチコアCPU・GPUのための並列プログラミング - というものです.著者は,CELLやTeslaといった特殊な(超並列)プロセッサでのコード開発に従事してきたフィックスターズの方たちです.OpenCLのいい日本語のテキストがなかったので,セミナーをたびたび開催している専門家たちが執筆したテキストとなると,非常に期待が持てます.
立ち読みはこちらから出来ます.私はよさそうだと思い,予約注文したところです.