ユニクロ・UK-Japan 2008コラボTシャツ2008年12月11日 20時20分17秒

今日,仕事から帰宅したところ,ちょっと大きめの郵便物が届いていました.
封を切って開けてみると,中からTシャツが出てきました.ユニクロUK-JAPAN 2008のコラボレーションによるTシャツプレゼントが当選したとの事です.
UK-JAPAN のロゴのシールが貼られた袋にTシャツがおさめられていました.次に開けたところの写真を載せます.

ユニクロ・UK-Japan 2008コラボTシャツ(続)2008年12月11日 20時23分32秒

ユニクロUK-JAPAN 2008のコラボレーションによるTシャツの話の続きです.この応募が当選していました.
袋から出して広げてみました.中心にカセットテープがデザインされた斬新なものです.日本は今は冬なので寒いため,これを着て歩く訳には行きませんが,夏場にこのTシャツを着て講演をしたら,注目を集められるかなと思いました.ただ,私はこんな感じに着こなせないと思いますので,ほどほどにします.
コラボレーションTシャツはこちらのサイトに沢山あります.他にもいろいろな素晴らしいデザインがありますので,ぜひ覗いてみて下さい.

本家のクリスマスレクチャー2008年12月11日 21時21分18秒

今年の夏に日本で第19回英国科学実験講座 クリスマス・レクチャー2008が行われました.この企画はUK-JAPAN2008のために特別に行われたのではなく,毎年夏に日本で行われるものです.ただしタイトルに『クリスマス』とありますように,もともとはマイケル・ファラデーがイギリスでクリスマスに行っていました.
今年,イギリスではどういうクリスマスレクチャーが行われるのでしょうか.王立協会のクリスマスレクチャーのページによると,9月1日にチケットの販売を開始したそうです.そして,内容は今年のページにあります. Christopher Bishop によるハイテクの話のようです.
前述のクリスマスレクチャーのページには,過去の講演のアーカイブがあり,分野ごとに整理されています.英語の視聴を苦にしなければ,とてもいいページだと思います.

LHC の第一の目的は?2008年12月13日 23時15分24秒

クリスマスレクチャーの話題を以前に書きましたので,UK-JAPAN2008というイベントもある事ですし,私もクリスマスに向けて自然科学の話題を書いてみます.
2008年,スイスとフランスの地下にまたがる様に,素粒子加速器(大型ハドロン衝突型加速器)LHCが稼働を開始しました.加速に必要な超伝導磁石を冷却するヘリウムが漏れたため,すぐに停止してしまったのが残念です.
この加速器の目的は何でしょう?「ブラックホールを作る」という話が一人歩きしていますが,これはちょっと無理でしょう.まず,この加速器で実現できるエネルギーからブラックホールを作るとすると,このエネルギーを半径 3.7 x 10^(-50) メートル程度に押し込めなければなりません.(この計算は,私の授業の試験で高校1年生にやってもらいました)
本当の目的は,「質量の起源」を探る事です.シーソーや天秤では,重い側が下に沈みます.これは地球の重力によるもので,宇宙にシーソーや天秤を持っていっても,無重力状態ならば沈みません.しかし,無重力とはいっても,重いものは軽いものよりも動きにくいものです.無重力とはいえ,宇宙飛行士が押せばスペースシャトルが動く訳ではありませんね.
この「重さ」を表す物理量が質量です.この質量がどうやって生じるかを考えたのが,イギリスの理論物理学者ヒッグス(Higgs,1929-)です.彼は様々な素粒子がヒッグス場と呼ばれる場により質量を得ると考えました.宇宙初期の状態から素粒子が質量を得るには,ノーベル物理学賞を2008年に受賞した南部氏の「自発的対称性の破れ」の考え方が必要になりますが,ここでは省略します.
ヒッグス場は量子論で考えられる場で,ヒッグス場を構成するのがヒッグス粒子と呼ばれる粒子です.この粒子は素粒子論の標準模型の中で未発見の重要な粒子であるとされております.このヒッグス粒子を見つける事が,LHCの第一の目的です.
ヒッグス粒子が見つかれば,ノーベル物理学賞をヒッグスは受賞できるでしょう.また,もし微小なブラックホールができたり,さらにその蒸発現象が確認できれば,ホーキング(Hawking,1942年-)がノーベル物理学賞を受賞する可能性があります.ホーキングはブラックホールの蒸発だけでなく,微小なブラックホールの出来かたに関する研究もしているのです.なお,ヒッグス,ホーキングはいずれもイギリスの物理学者です.

Hawking 博士の偉業2008年12月15日 22時04分02秒

UK-JAPAN2008にちなんで,クリスマスあたりまでイギリスに関係する科学の解説を載せていこうと思います.クリスマスレクチャーとはほど遠いですが,興味のある方はどうぞ.
スティーブン・ホーキングは「車椅子の物理学者」ということでよく知られているのではないでしょうか.21歳で「筋萎縮性側索硬化症」と診断され,呼吸は呼吸器で行い,眼と指先だけが動かせる状況です.特別なコンピューター付き車椅子で文章を作成し,人工音声でコミュニケーションを取っています.
大変な苦難を長年抱えているにも関わらず,発病後に画期的な研究を次々と行っています.たとえば以下のような感じです.
  • 1965年:ロジャー・ペンローズと共同で「特異点定理」を発表
  • 1971年:原始ブラックホール生成の理論を発表
  • 1974年:ブラックホールの蒸発理論を発表
  • 1977年:曲がった時空における量子論での,ゼータ関数を用いた正則化の理論を発表
  • 1983年:ジェームス・ハートルと共同で宇宙の波動関数に理論(無境界仮説)を発表
  • 1992年:時間順序保護仮説を発表
これでも挙げたものは一部です.一般にはブラックホールの蒸発理論がなじみがあるでしょう.
他のものを簡単に説明すると,「特異点定理」は宇宙に適用するとビッグバンが避けられないという事です.宇宙がある大きさの範囲で大きくなったり小さくなったりする事はできないという事を,一般相対性理論の範疇で示しています.
原始ブラックホールはちょっと変わっています.重い星の進化の最終段階でできると考えられていたブラックホールは,太陽程度の質量があります.ところが原始ブラックホールは宇宙の初期に,前述のものに比べてうんと軽いブラックホールができる可能性を示しています.もし存在してブラックホールの蒸発理論と両立すると,現在の宇宙でブラックホールの蒸発の最終段階が見える事になります.
これらの論文は大変な数式を駆使しています.ホーキング本人は「私はこういう状況なので長い計算は無理」との事ですが,とても信じられない成果です.
他にもThe Large Scale Structure of Space-Time (Cambridge Monographs on Mathematical Physics)という本を書いています.一般相対性理論を本格的に学ぶ人にとって,最後の牙城の一つといえる大変難解な本です.この本を書いたのは,ホーキングが28歳の時です.私も持っていますが,きちんと理解したかと聞かれると…というような本でした.