2009年7月22日の皆既日食 ― 2008年12月16日 14時22分36秒
2009年7月22日,皆既日食が発生します.日本では鹿児島と沖縄本島の間にあるトカラ(吐噶喇)列島で見られますが,宿泊施設などが整っておらず,ツアーに申し込まないと上陸できません.
他の地域ですと,中国では上海,杭州,武漢,太平洋ではマーシャル諸島で見られます.日本ではトカラ列島以外にも屋久島,奄美大島の北端でぎりぎり見られそうです.
この日食の情報は資料を収集中です.年末年始に Web ページの方にまとめる予定です.
他の地域ですと,中国では上海,杭州,武漢,太平洋ではマーシャル諸島で見られます.日本ではトカラ列島以外にも屋久島,奄美大島の北端でぎりぎり見られそうです.
この日食の情報は資料を収集中です.年末年始に Web ページの方にまとめる予定です.
イギリスといって思い浮かぶものは? ― 2008年12月16日 15時42分25秒
イギリスといって思い浮かぶものは何でしょうか?私はグリニッジ天文台,ニュートン,クローン羊ドリー,ビートルズ,ロンドン塔,エリザベス女王,などなどいろいろな事が思い浮かびます.
UK-JAPAN2008の企画も2008年があと2週間ちょっとで終わるので終了するようです.その前に
「UK」と聞いて自分が真っ先に思いつくイメージに一番近いのはどれですか?
というアンケートを行っています.
私だったら,この中から選ぶとすれば
(6)DNA解析やwww、クローン羊の誕生など現代の 生活を変えるような発想・技術を持つUK
を選ぶでしょう.果たして結果は?
Sir Roger Penrose は脳を考える ― 2008年12月16日 22時45分39秒
UK-JAPAN2008にちなんで,またイギリスの科学者を取り上げます.
今度はホーキングの共同研究者のロジャー・ペンローズです.数学者であり理論物理学者です.現在はOxford 大学のラウズ・ポール教授職に就任し,ナイトの称号も受けています.ペンローズも非常に際立った業績を挙げています.以下に主なものを示します.
例えばブラックホールが出来るのは非常に重い星が死ぬときです.ところが1916年の一般相対性理論が提唱されてすぐに発表されたブラックホールは,時間変化しないものでした.星が死んでブラックホールになるという時間変化を伴う現象の解析は,なかなかなされていなかったのです.
面白いのはペンローズプロセスです.ニュートンの万有引力では,例えば地球が自転していても,人工衛星の運動に影響は及びません.ところが一般相対性理論では,自転している星は周りの時空を回転方向にひきずります.つまり,周囲の物体は回転するブラックホールに引きずられてしまうという事です.この状況を逆に利用し,ブラックホールの回転エネルギーを周囲の物体が奪い取ってしまうのが,ペンローズプロセスです.原理的には自転が止まるまでエネルギーが取り出せます.ただ,回転が止まったブラックホールの処置は,核廃棄物よりもずっと厄介でしょう.
今度はホーキングの共同研究者のロジャー・ペンローズです.数学者であり理論物理学者です.現在はOxford 大学のラウズ・ポール教授職に就任し,ナイトの称号も受けています.ペンローズも非常に際立った業績を挙げています.以下に主なものを示します.
- 1962年:ニューマンと共同で重力波を扱う新たな定式化(Newman-Penrose formalism)を発表
- 1965年:スティーブン・ホーキングと共同で「特異点定理」を発表
- 1965年:重力崩壊する星で時空特異点が生じる事を発表
- 1967年:重力場と量子論を統一する試み,ツイスター理論を発表
- 1969年:回転するブラックホールからエネルギーを取り出せる方法(ペンローズプロセス)を発表
- 1971年:量子論的なスピンをつなぎあわせて時空を構成する,スピンネットワークを提唱.後にループ量子重力理論に応用される.
- 1974年:2種類の図形(タイル)で非周期的に平面を敷き詰められるペンローズ・タイルを発表.後に同じ対称性を持つ結晶(準結晶)が発見される.
例えばブラックホールが出来るのは非常に重い星が死ぬときです.ところが1916年の一般相対性理論が提唱されてすぐに発表されたブラックホールは,時間変化しないものでした.星が死んでブラックホールになるという時間変化を伴う現象の解析は,なかなかなされていなかったのです.
面白いのはペンローズプロセスです.ニュートンの万有引力では,例えば地球が自転していても,人工衛星の運動に影響は及びません.ところが一般相対性理論では,自転している星は周りの時空を回転方向にひきずります.つまり,周囲の物体は回転するブラックホールに引きずられてしまうという事です.この状況を逆に利用し,ブラックホールの回転エネルギーを周囲の物体が奪い取ってしまうのが,ペンローズプロセスです.原理的には自転が止まるまでエネルギーが取り出せます.ただ,回転が止まったブラックホールの処置は,核廃棄物よりもずっと厄介でしょう.
この他にもペンローズには論議を引き起こす著書があります.
脳の中では量子力学が深く関わる現象が起きているというアイディアを著書で提唱し,様々な議論を呼び起こしました.批判の先鋒が,特異点定理を共同で証明したホーキングだという話を聞いた事があります.私は国際会議で2回,ペンローズを2回見かけた事があります.一度は数メートル目の前を通り過ぎました.
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