祝・ノーベル物理学賞 ― 2008年10月08日 13時05分09秒
ノーベル賞の論文 ― 2008年10月10日 11時47分51秒
CP-Violation in the Renormalizable Theory of Weak Interaction
です.大学の図書館が購読契約を結んでいれば,その大学ではダウンロードできます.
この雑誌,略称は Prog.Theor.Phys. ですが,正式名は Progress of Theoretical Physics です.何か変な気もしますが,湯川博士命名なので今更変更できないようです.(意味的には下線部は in でしょう).
物理学者が研究成果を挙げた場合,英語の論文を作成します.その論文は上記のような論文誌に投稿し,匿名の査読者(1名または複数)によって査読されます.結果として掲載にふさわしければそのまま載り,若干の変更,疑問点がある場合(これが一番多い)には著者に質問と訂正の返事を送り,明らかにダメな場合は拒否されます.この方法は,世界中のどの雑誌でもまともな雑誌ならば同じです.
さて,私は上記の Prog.Theor.Phys. で出版された論文がありません.「日本の理論物理学の雑誌なのに何故?」と思われるでしょうが,いくつか理由があります.大きな理由は「投稿料がかかる」というところです.論文誌に論文を出す場合は,原稿を雑誌に執筆する場合とは異なり,著者がお金を支払います.購読料と著者からの投稿料より,雑誌の出版が支えられているのです.
しかし,アメリカ物理学会のPhysical Reviewや,イギリスの王立物理学会のJournal of Cosmology and Astroparticle Physicsは投稿料が無料です.購読料などの他の予算で支えているのでしょう.投稿料が無料で,しかも世界中の物理学者が購読している雑誌ならば,ますますいい論文が投稿される様になり,その雑誌の権威が高まります.この循環により,いい雑誌はますますいい論文が集まる様になります.
ところがProg.Theor.Phys.はおおざっぱに計算すると,投稿料が1ページ3000円かかります.小林-益川論文は6ページですが,私の論文はこれより長い事が多いです.しかも書式の違いにより他の雑誌に比べて1ページの字数が少ないので,ページ数が多くなってしまいます.活発に研究すると,投稿料がおそろしい事になります.
こういう理由でまだ私には,Prog.Theor.Phys.から出版された論文がありません.でも日本の理論物理学を支える事を考えたら,出した方がいいのかもしれませんね.
英国の航空100年 ― 2008年10月15日 17時36分34秒
イギリスの航空会社というと伝統的なブリティッシュ・エアウェイズ,斬新なヴァージン・アトランティック航空,格安のイージージェットあたりが思いつきますが,ブリティッシュ・エアウェイズが創立するより前の話から行うようです.そういえばコンコルドも英仏共同の開発でしたね.
この講演は事前予約無しで先着200名.11月4日の18:30〜20:00に新橋で行われます.日本語訳も適宜行われるようです.気になる方はこちらを御覧下さい.こんなスペシャルゲストがいらっしゃるのも,UK-JAPAN 2008の企画の一環だからでしょう.
世界天文年2009 キックオフシンポジウム ― 2008年10月17日 15時36分21秒
ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を夜空に向けたのが1609年という事で,来年はその400年に当たります.また,ダーウィンが生まれてから200年との事です.
概要は以下の通り (Tennet のメールを転載致します)
- 日 時:2008年11月23日(日・祝日) 13:00〜14:30(開場は12:30)
- 場 所:東京国際交流館・国際交流会議場 (東京都江東区青海2-79)
- 主 催:世界天文年2009日本委員会
- 後 援:天文教育普及研究会、自然科学研究機構 国立天文台(予定)
- 対 象:特に年齢制限はありませんが、概ね中学生以上を想定しています
- 参 加:無料
- 定 員:400名(事前申込制)
日英シンポジウム「情報化社会におけるプライバシーとセキュリティ」 ― 2008年10月27日 21時51分31秒
情報化社会ですと,大量の情報のコピーが簡単に出来てしまいます.また,Google ストリートビューのようなサービスでは,個人の生活領域まで公にされてしまいます.こういう情報化社会でプライバシーをどうやって守っていけばいいのでしょうか.
日本で,プライバシー保護,安全を守るためのセキュリティに関するシンポジウムが行われます.UK-JAPAN2008の案内で見つけ,たどっていったところ,プログラム案が出ておりました.
セキュリティには技術的な保護の面の他,物理的な保護や組織の管理による保護の面があると思います.今回のシンポジウムは技術的側面を捉えたものです.物理的保護(例えばデータのあるサーバー室への施錠,入室制限)や管理的保護(社内ルールの徹底)なども併せて行っていけば,今よりは情報の流出などは少なくなると思いますが,どうなるでしょうか.UT
最近のコメント