若い人たちに2009年04月25日 19時42分16秒

先月まで高校で教えていて,学年末試験を実施しました.その講評にこんな事を書きました.

文理問わずに理解しなければならない事は世の中に沢山あります.「あの分野は文系だから」「理系だから」と敬遠せずに,自分の興味のアンテナを広げて,面白いと思った事は突き詰めてみるといいと思います.

それから
世の中には面白そうな事が沢山あります.私が高校生の頃に比べると,面白そうなものは大変増えていると思います.ただし,結果としてつまらない事になる事も多いです.いろいろな事に果敢にチャレンジできるこの時期に,つまらない事に流されず,いい人生を歩んでいただければと考えております.

という事も書きました.

自分自身の今までを振り返ってみて,どうだったかなと静かに考えてみた結果,こんな文章を書いていました.転職して1ヶ月近く経ち,新たな職場に徐々に慣れてきたところです.周囲からは回り道,寄り道ばかりと思われつつも,いろいろな事に取り組んできた結果,どうにか研究者としてやってこられたのかなと思っています.途中で分野を転々としつつも,「やはり自分の根本は物理屋なのだなぁ」と今でも実感しております.
私の人生を教え子の高校生たちに真似してもらうつもりはありませんし,真似されてもうまく行くという保証がどこにも無いのでお勧めしません.ただ,つまらない事にとらわれず,面白く役立ちそうな事を突き詰めて行けばいいのではと思います.
私ぐらいの年になりますと,時間的制約が強く働いてしまうので,ますます「役に立つのか」という事だけでなく「いつまでに役に立つのか」という事が気になってしまいます.若いうちは,あまり時間の事は気にしないでいいのではないでしょうか.(進学だけは時間を気にして下さい)