三峡ダム、いよいよ本格稼働2009年04月15日 22時25分03秒

長江(揚子江)中流域に建設中の三峡ダムが,いよいよ工事の最後の年です.つまり,今年完成します.
このダム,水位は175m,ダム湖の長さは約570km,総貯水量は実に393億立方メートルというとてつもないものです.発電所の年間発電量は約840億kWh.分かりやすく書くと,発電所の出力は1820万kWです.
これがどれくらい凄まじい規模かを示すために,日本の例を出します.黒部の太陽で話題になった黒部ダムの総貯水量が約2億立方メートル,黒部川第四発電所の認可出力は33万5000kwです.つまり,発電の規模でクロヨンの50倍以上,貯水量では約200倍です.
これだけの規模のダムを造って,影響は無いのでしょうか.「地球の自転が変わる」という心配がされたこともあるようです.それは,「フィギュアスケートでスピンをしている選手が腕を延ばすと回転が遅くなる」ように,地表に大量に水を溜め込むと地球の自転が遅くなるのではと思ったのでしょう.地球の質量とダムの貯水量を比較してみて,せいぜい「うるう秒を付け加える間隔が縮まるかな?」という程度です.むしろ気がかりなのは,水質の変化(汚染)や付近の地盤に与える影響です.また,100万人以上の方が移住させられ,名所旧跡が水没した事も問題ではと思います.(三国志で有名な白帝城は,辛うじて水没を免れたようです)