ミステリーサークル2008年02月07日 17時44分01秒

企画展 「エイリアン展 ―― モシモシ、応答ネガイマス。」で思い出したのですが,イギリスを中心に一時期ミステリーサークルが大発生しました.
麦畑が一夜のうちに丸く倒されていると言う不思議な現象で,だんだんと図形が複雑になっていきました.最初から怪しいと思いましたが,やはり人為的に倒したものが多かったようです.なぜか月曜日の朝に多く発生するというのは不思議ですね.1ヶ月や1年は天体の運行に起源があるとしても,1週間はかなり人為的に決めたものではないでしょうか.
イギリスの老人が告白した他,「フラクタルの父」ともいわれるマンデルブロ(Mandelblot)の仲間が研究のためにマンデルブロ集合を作ったという事もあるそうです.
成因としてプラズマが原因ではないかと語った研究者は実験室内で小型のミステリーサークルを作ったそうですが,その後の研究の進展はどうなったのでしょう?

マイケル・ファラデー 12008年02月10日 19時05分35秒

クリスマスレクチャーを始めたマイケル・ファラデー (Michael Farady)は,19世紀で最も偉大な物理学者として名が挙げられます.
電磁気学の法則に名を残していますが,意外な事があります.現在の社会で特に自然科学系の研究者は,大学院に通って博士号を取得する(課程博士)か,論文を提出して審査を受けて博士号を取得する(論文博士)かという方法で,博士の学位を取得しています.
このために,学位工場と呼ばれる海外の無認可校で発行されたものを学位と称して,大学の職を得たり教授に昇格したりする例が,日本でようやく問題になってきました.この話は根が深いので,ここでは扱いません.
ファラデーもそんな経歴をたどっているのかということですが,実は家庭の事情により学校に通ったのは12才までです.13才から製本業で働いています.当時は産業革命のまっただ中とはいえ,今ほど自動的に製本が出来るわけではなく,重要な専門業でした.しかし,そんな別の専門業からなぜ世紀を代表する物理学者になったのか.それは次に続きます.

マイケル・ファラデー 22008年02月11日 17時12分47秒

昨日の続きです.
製本業が専門職だった当時,今の様に数多くの本が出版されていたわけではありませんでした.一番多く出版された(かつ,誤植が絶対に許されなかった)本は聖書ですが,他にも限られた重要な本が出版されていたわけです.この中には自然科学の本もあり,ファラデーは興味を持って読んだり,さらには載っている実験を再現したりしたそうです.また,デッサンの腕を磨いており,実験装置等のスケッチも上手にできていたとの事です.
そんなある日,ファラデーは製本業の顧客から,当時の化学の大御所であるデイヴィの科学講演の入場券を譲ってもらいました.その際にもファラデーはデイヴィの講演をデッサンし,それがきっかけとなってデイヴィと話をすることができました.その後,22才の時にファラデーはデイヴィの実験助手として雇われ,科学者の道を歩み始めました.
偉大な業績についてはまた後日.この話は教科書にでてくる物理学者小伝を参照し,他にも教科書等に出ている小話を整理しました.

現代だと,変わった経歴の物理学者はなかなかいないものです.量子宇宙論のアレキサンダー・ビレンキン(Alexander Vilenkin)が変わっていますが,ここまでではないです.
ビレンキンは旧ソ連で生まれて大学を卒業したものの,国家への協力を拒否したために KGB にブラックリストに入れられて,大学院に入れなくなってしまいました.そして陸軍に徴兵され,その後は動物園の夜警の仕事をしていました.その間も物理学の研究を続け,アメリカに移民しました.現在はタフツ大学の教授として,活躍しております.

鹿児島県十島村の日蝕受入基本方針2008年02月14日 10時21分02秒

2009年の日食に関して,鹿児島県十島村の日蝕受入基本方針が公開されました. 新着情報から御覧下さい.

英国燃料電池セミナー2008年02月14日 23時29分11秒

UK-JAPAN 2008のイベントの一環として,英国燃料電池セミナーというイベントが2月26日に開かれるそうです.残念ながらもう定員に達してしまったそうですが,資料を見てみたいものです.
大学での基礎研究から産業界での実用化までをじっくり聞く事が出来るようです.科学誌でまとまった記事が出ればいいのですけど.
燃料電池は原理的には水素と酸素を化合させて水にし,さらに電力を取り出すという電気化学反応を用いる訳です.化学実験をやった方ならご存知でしょうが,水素と酸素の化合は爆発的な燃焼です.試験管くらいの容量のところくらいしか水素を燃焼させる実験は危険です.それをガソリンタンクなみの燃料を用意するとなると…
そういうわけで,いかに安全に保管するか,穏やかに化合させるかが問題になるわけです.水素そのものを運搬するのではなく,化合物等の形で運搬して,燃焼の時に分解するというような方法を使うわけです.