一攫千金の夢の跡は2009年03月13日 22時01分32秒

一攫千金を夢見てギャンブルにのめり込む方は,古今東西いらっしゃる様です.確率でいうところの『期待値』を考えると,原資に対して目減りする事になりますが,他人が目減りして自分が大勝ちする確率がゼロでない(しかも宝くじの1等とは違い,そこそこある)ので,虜になるのでしょう.
この賭け金は主催者(胴元)がいくらかを受け取り,残りが配当として分配されます.この主催者の取り分はどうなるのでしょうか.オーストラリアのカジノでは,自然環境保護に使われると聞きました.日本の場合はと気になるところです.
この取り分の一部は,自然科学研究の助成に使われています.日本科学協会が行っている若手研究者向けの研究助成がそれです.日本財団の支援のもと,産業とすぐには結びつかないような基礎研究分野,海洋研究分野を専攻する若手を支援しているのです.国では化学研究費補助金(科研費)をはじめとする競争的研究資金があり,民間団体も研究資金を提供しています.日本科学協会はこれらとは毛色が異なり,他からの研究助成が受け難い研究の全国的な掘り起こしを行うと謳っています.「夢はあるけど仕事や資金がない」と言われる基礎研究分野に貢献しているという点は,社会的に高く評価されていいのではと思います.