科学技術関連基金の研究課題決定プロセスについての要望提言2011年02月06日 22時24分42秒

2月1日付で応用物理学会,化学会,生化学会,生物化学学会連合,地球惑星科学連合会,物理学会,薬学会の会長が連名で,
科学技術関連基金の研究課題決定プロセスについての要望提言(PDF)
という文書を出しました.
大見出しを拾い上げると,以下の様なものです.
  • 科学技術関連基金の内定・交付スケジュール遅延のないようにする。
  • 審査員、有識者の見解を重視する。
  • 研究課題決定プロセスによらず幅広く多様な科学研究資金を充実する。
研究費の内定,交付が遅れると,研究者全てに関わる深刻な問題です.研究費で雇用される研究員,スタッフが大勢居ます.これらの人たちの生活を直撃してしまうのです.また,事業仕分けでも分かる様に,専門家の意見を聞かず,(必要性を分かっていない人を含めた)人たちが予算を削減しています.研究の遅れを取り戻すには,停滞した時間以上の時間を要することは,今までの歴史(例えば日本の航空産業)を見れば明らかです.
平成23年度予算および関連法案の成立が非常に怪しいところなので,研究者にとっては暫く受難の日々が続くのかも知れません.前官房長官が常々発言していた「まさに文化大革命だ.」といえるような知識層の破壊が徐々に進んでいる気がします.

事業仕分けで潰された研究所2011年01月18日 07時33分43秒

昨日で阪神淡路大震災発生から16年.震災で亡くなった方のご冥福をお祈りします.
日本は地震国ですから,地震に対する備えをしておく必要が十分にあります.昨年4月の事業仕分け第2弾でJAXAiが廃止という決断を下されたことはよく知られていますが,同じ日に日本原子力研究開発機構(JAEA)システム計算科学センターが廃止(東京からの移転)という決断を下されたという話をご存知の方は少ないのではないでしょうか.文部科学省が昨年11月に公開した政策評価調書 (PDF)でも,「廃止,移転」と明記されています.移転は確定でしょう.
このセンターで,原子力耐震計算科学研究のワークショップが開催されます.産官学共同で,原発の耐震安全評価等を行うという,地震国かつエネルギーの主要部分を原子力に頼る日本では重要な話です.JAXAiの最終日イベントとは異なり専門家向けなので一般の方の参加は難しいでしょう.
この研究の解説はここにあります.昨年の事業仕分けは仕分け人が研究の重要性,そして産官学連携の重要性を全く理解していなかったことが一番の問題ではないかと,私は思います.

サンタクロースを追跡2010年12月21日 07時45分10秒

今日の皆既月食は,北日本以外は天候不順で厳しそうです.
さて,そろそろクリスマスです.子どもたちはサンタクロースがやってくる事を楽しみにしているのでしょう.サンタクロースはクリスマスイブの夜,どこにいるのでしょうか.追跡サイトがあります.ここはレーダー,人工衛星,サンタカメラ,ジェット戦闘機の4種類を使って追跡します.
まず,サンタクロースが北極を出発する瞬間をレーダーでキャッチします.次に,人工衛星がトナカイの鼻から出る赤外線をチェックして,位置を確認します.それから,世界中に設置されたサンタカメラが撮影します.最後にジェット戦闘機がサンタクロースを北米に誘導するとの事です.
この団体は何者でしょうか.実は北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)です.なぜ防衛司令部がサンタクロースを追跡するに至ったかは,心温まる様な話がありますので,追跡サイトを御覧下さい.

中国からのアクセスを防止する奇策2010年11月26日 22時19分14秒

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内容によっては国外からいろいろされる事があるようです.尖閣諸島でのいざこざで中国からいろいろされたサイトもあるようです.
そんな中,中国からのアクセスを一切遮断する奇策を聞きました.それは,「天安門事件」という単語を明記することです.中国では一部のサイトへのアクセス制限が政府の意向によりなされています.例えば私が上海に出張した時,YouTubeに繋がりませんでした.「天安門事件」は政治的な問題であり,国民に知られたくない様でアクセスが遮断されます.
他にもノーベル平和賞関係の話題でもいいかも知れません.中国政府の方針を逆手に取った奇策といえるでしょう.

サイエンスアゴラ2010開催のお知らせ2010年11月18日 14時10分58秒

日本物理学会から連絡がありましたので転載します.
明日開催されるイベントです.

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      サイエンスアゴラ2010〜未来へつなぐ科学のひろば〜
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サイエンスアゴラは、“科学と社会をつなぐ広場(アゴラ)”として、
科学技術を活用してよりよい社会を実現するための方策を多角的に論じ
合う複合型のイベントです。

今年は科学技術政策や研究者によるアウトリーチ、大型研究予算について
論じ合うセッションなど、見逃せない企画が多数!
今週末は、東京お台場の国際研究交流大学村で開催されるサイエンスアゴラに
ぜひお越し下さい!

 -------------------■□↓事前申込みページ↓□■--------------------

 http://www.scienceagora.org/scienceagora/agora2010/preregister.html

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○●開幕シンポジウム「ニッポンの科学技術が目指すもの」●○
次期科学技術基本計画策定の基本方針で謳われている目標を達成することで
どのような社会を目指すのかを論じ合い、目標実現のために必要な問題意識を
共有します。
【日時】 平成22年11月19日(金) 15:00〜17:00
【場所】 東京国際交流館3階国際会議場
【登壇者】
基調講演: 柳沢正史(筑波大学 教授)
[パネリスト]
津村啓介(衆議院議員)
奥村直樹(総合科学技術会議 常勤議員)
小池康博(慶應義塾大学 教授)
柳沢正史(筑波大学 教授)
     野間口有(産業技術総合研究所 理事長)
北澤宏一(科学技術振興機構 理事長)
[モデレーター]
高橋真理子(朝日新聞東京本社 科学医療グループ)

○●大型研究予算のあり方 〜 市民・科学者の関与を考える●○
 昨年の事業仕分けを契機に報道等で大きく取り上げられた、科学技術に関する
予算。この科学技術予算の議論をより開かれたものとし、科学者や市民の関与と
社会の支持はいかにして得られるのか、科学者コミュニティからの提言を切り口
に議論します。
【日時】 平成22年11月21日(日) 10:30〜12:00
【場所】 日本科学未来館7階みらいCANホール
【登壇者】
開会御挨拶:金澤一郎(日本学術会議会長)
基調講演 :岩澤康裕(電気通信大学教授)
[パネリスト]
岩澤康裕(電気通信大学教授)
永宮正治(J-PARCセンター長、日本物理学会会長)
川本裕子(早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授)
倉持隆雄(文部科学省研究振興局長)
[司会]保坂直紀(読売新聞社 科学部次長)


---(サイエンスアゴラ2010 開催概要)---------------
■開催日時: 平成22年11月19日(金)、20日(土)、21日(日)
※19日は開幕シンポジウム(15:00〜17:00)のみ
※20日・21日は10:00〜17:00
■場所: 国際研究交流大学村(東京・お台場)
(日本科学未来館、東京国際交流館、産業技術総合研究所臨海副都心センター)
■料金: 参加無料(一部企画で材料費等の実費を頂く場合があります。
■主催: 科学技術振興機構(JST)
共催: 日本学術会議、産業技術総合研究所、国際研究交流大学村
■URL: http://www.scienceagora.org/