悩む研究者に甘い誘いが来たら....2010年04月25日 15時30分43秒

研究をしていて,将来に対して不安を持ったり,悩んだりする事はしばしばあります.大学院生からポスドクですと,研究を続けていて,職を得る事が出来るのだろうかと不安になるわけです.私自身,社会保障がきちんとなされる職に就けない時期が,今までで通算2年間ありました.
こういう時に,「あなたのやりたい研究をサポートします.うちに来て,お好きな研究を存分にやって下さい.生活も保障します.」という誘いが来たらどうなるでしょうか.悩んでいる人の一部は,誘いを受けて行ってしまうのではと思います.
ところが誘ってきた団体は,最初のうちは研究のサポートを存分にしてくれるものの,だんだんとその団体の目的とする事をさせるようになります.そして,その団体が実は「国家を暴力で転覆させる」事を目的としていて,そのための作戦の片棒を担がされ,国を震撼させる無差別テロを実行することになったら…
この話,フィクションでも外国のどこかの国の話でもなく,ほんの15年ほど前の日本の話です.この事件の時,行き詰まった研究者たちの処遇について,若干の議論があった様な気がしますが,具体的な改善策は見出されていないようです.むしろ15年前よりも今の方が,状況は悪くなっているようです.
さすがにこういう暴走が繰り返される可能性は低いと思いますが,昔の勤務先の大学から「教室におけるカルト集団やマルチ商法の勧誘について」という注意メールが来たので,ふと思い出して書いてみました.

事業仕分け第1弾の議事録公開2010年04月25日 23時15分41秒

事業仕分け第1弾の議事録が,先週後半に公開されました.
資料ページの『評価結果・議事概要』から,各々の仕分けについてたどると見る事が出来ます.
私はこの議事録を見て「競争的資金(若手研究育成)」のところで,「研究者が研究にしか執行できない研究費と,生活費をごっちゃにしているトンチンカンな仕分け人の発言」を確認する事が出来ました.
この発言,若手研究者の間では特に猛反発が起きていました.仕分け人はこの時,自分が担当する事業の資料を,会議で提示されたもの以外には全く見ていなかったのではと思います.