事業仕分け結果に対する意見募集(文部科学省)2010年06月03日 16時34分20秒

文部科学省が,4月および5月に行われた事業仕分け第2弾に対して,国民からの意見募集を行っています.
〆切は6月15日です.私が出せる意見としたら,このあたりでしょうか.
  • 理化学研究所と物質・材料研究機構の統合に関して
    科学の進歩は多様性を持って研究に取り組み,複数の団体,組織が互いに競い合う事が重要であるということを仕分けでは十分に理解していなかったのではと思います.
  • JAXAiの廃止について
    科学技術の成果を国民に広く普及する事は非常に重要です.特に税金で進められた研究に関しては,そういえるでしょう.その成果を普及する機会について,「たまたま時間があったので立ち寄ってみた」というような場所で展示する事は,普及の点から大切です.研究機関のある郊外で広報しても,「その分野に大変興味がある人」でなければ,時間をかけて見に行く事はないのではないかと思います.
科学技術ではありませんが,渋谷にあった自衛隊の広報施設「自衛館」も今年3月に閉鎖になったそうです.これは昨年の事業仕分けで挙げられた「自衛隊の広報活動」で縮減となったためです.議事録がありました.

行政事業レビュー2010年06月06日 22時44分51秒

内閣の退陣等のニュースで完全に吹き飛んでいる感がありますが,行政事業レビューというものが始まっています.各省庁の中で,事業仕分けを行っている様なものです.こちらも生中継があります.
文部科学省の分は6月3, 4日に行われました.資料と結果が公開されています.評価結果も出ています.ただ,個別に見ていくと,たしかにごもっともという意見が並んでいますが,
具体的内容については、私には良くわからない。
などというコメントを出している人が居ます.これは仕分け人としての事前の心構えが不十分ではないかという印象を受けてしまいます.一方で,
技術面で随意契約しかできない業務については、形式的な競争入札をやる必要はない。
というはっきりした意見もあります.何でも競争入札にすると,入札のための手続きが面倒である上,必要が生じてから実際に納入,あるいは作業開始までの時間がかかり,研究遂行が大変遅くなるという欠点はあります.

はやぶさ,あかつきは順調2010年06月11日 22時13分43秒

JAXAが運用している小惑星探査機「はやぶさ」,金星探査機「あかつき」は順調なようです.
はやぶさ、地球へ!
いかに探査機「はやぶさ」の計画が画期的で,かつ実現が危うかったかはいろいろなところで報道されていると思います.まさに日本の科学技術の粋を集めた探査機です.研究機関だけでなく,企業の大変高度な技術も結集されています.
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」のセイル展開の成功について
こちらは光の圧力で推進力を得ようという画期的な実験です.

これだけの広報活動をしていながら,事業仕分けでは短時間でろくな議論をせず予算を縮減してしまうというのが理解できません.首相は二代続けて理系出身という事になっているのですが,政治家とその周囲の人たちの科学技術に対する理解力の低さには驚くばかりです.

小惑星探査機「はやぶさ」無事帰還2010年06月14日 08時14分39秒

朝のニュースで報道されていますように,小惑星探査機「はやぶさ」が無事帰還したようです.
以下,JAXAのリリースです.

「はやぶさ」カプセル回収2010年06月14日 22時03分33秒

小惑星探査機「はやぶさ」の続報です.カプセルの回収が終わりました. さて,カプセルの中にはどういうものが入っているのでしょうか.空っぽだったら非常に残念です.
予算を大幅に削った仕分け人たちは,この探査機の科学的意義を十分に理解しているのでしょうか.世間の声を受けてか,政治家の態度が急変したように見えます.