事業仕分けに関してひとこと2011年11月11日 21時59分37秒

事業仕分けについて,批判が多いためか今回は提言型政策仕分けと名付けられています.今までの事業仕分けについて,これだけ大騒ぎをしているのですから,果たして有効だったかどうか「第三者による外部評価」が必要です.外部評価がなされたという話は,私は存じません.
今回も評価者(民間有識者等)に科学技術系の方が少ないように見えます.開発の現場の苦悩も分からず,金銭の帳簿だけで重要なものを削らないかが気になるところです.
もっと問題なのは「提言型政策仕分け」評価者名簿(国会議員評価者) です.私は「大いに問題あり」と思う議員がいらっしゃいます.以下の通りです. とにかくこれ以上日本をぶっ壊すなと私は言いたいです.

事業仕分け第4弾,今月下旬開催2011年11月11日 21時42分20秒

事業仕分け第4弾(提言型政策仕分け)が今月下旬に開催されます.
開催日は11月20〜23日の4日間,場所はサンシャインシティ文化会館 3 階展示ホールCです,

提言型政策仕分けの対象となる政策・施策・事業(案)も公開されました.以下の通りです.
  • ワーキンググループA
    • 科学技術(研究開発)<内閣府・文部科学省>
      • 研究開発のあり方・実施方法
    • 教育(大学)<文部科学省>
      • 大学改革の方向性のあり方
    • 中小企業<経済産業省>
      • 中小企業支援施策
        【取り上げる事業】 ・新事業活動促進支援補助金、戦略的基盤技術高度化支援事業、中小商業活力向上事業、地域商業再生事業
    • 原子力・エネルギー等<経済産業省、文部科学省、国土交通省、環境省>
      • 原子力関係研究開発
        【取り上げる事業】
        • <文部科学省>(独)日本原子力研究開発機構運営費交付金・施設整備費、熱核融合研究開発(ITER計画)
        • <経済産業省>発電用新型炉等技術開発委託費
      • 原子力発電所の立地対策等
        【取り上げる事業】
        • <経済産業省>電源立地地域対策交付金(文部科学省と共管)、原子力発電環境整備機構による最終処分事業、 原子力環境整備促進・資金管理センターによる最終処分・再処理に係る積立金、地層処分実規模設備等事業
      • 省エネルギー、再生可能エネルギー利用等の促進方策
        【取り上げる事業】
        • <経済産業省>住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化推進事業、地熱資源開発促進調査事業、戦略的省エネルギー技術革新プログラム
        • <国土交通省>ゼロ・エネルギー住宅等の推進
        • <環境省>節電リフォーム推進エコポイント事業、自然共生型地熱開発のための掘削補助事業、地球温暖化対策技術開発等事業
      • 原子力・エネルギー等予算のあり方等
    • 公共事業<国土交通省>
      • 中長期的な公共事業のあり方
      • 災害に強い国土づくり
        【取り上げる事業】
        • 治水事業、海岸事業、港湾事業
  • ワーキンググループB
    • 地方財政<総務省>
      • 地域主権型の地方税財政のあり方
      • 情報通信<総務省>
        • 電波行政のあり方(新たな周波数の割当て等)
        • 電波利用料の活用
          【取り上げる事業】
          • 「電波資源拡大のための研究開発等」などの電波利用料を財源とする事業
    • 外交(在外公館)<外務省>
      • 外交戦略における在外公館の役割
    • 社会保障<厚生労働省>
      • 医療サービスの機能強化と効率化・重点化
      • 後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策
      • 介護サービスの機能強化と効率化・重点化
      • 年金制度(安定的な年金財政運営等)
      • 生活保護の見直し(生活保護医療の見直し等)
      • 雇用(雇用政策の効果の検証、雇用保険の運営等)
      • 持続可能な社会保障制度のあり方
    • 農業<農林水産省>
      • 農業政策における各種支援
        【取り上げる事業】
        • 協同農業普及事業交付金、6次産業化総合推進対策、地域における産学連携支援事業、農地制度実施円滑化事業費補助金、飼料穀物備蓄対策事業、資源循環型酪農推進事業、環境保全型農業直接支払対策

「京」,京速を達成2011年11月02日 20時09分43秒

神戸の埋め立て地に建造中の次世代スパコン「京」ですが,このたび最終構成が出来上がり,性能測定がなされました.LINPACKという,性能測定プログラムの一つですが,結果は以下の通りです.
京速コンピュータ「京」が10ペタフロップスを達成
10.51ペタフロップス(1秒間に1.051京回の浮動小数点計算)の性能を発揮しました.
このLINPACKはスーパーコンピューターの性能のある1面だけを示しているという批判があります.そういう方にはこういう話もあります.
連続実行時間が29時間ちょっとです.これだけ大型のシステムになりますと,どの機器も故障せずに連続稼働するという事が非常に難しくなります.世界のトップ10に入るスーパーコンピューターは数時間の連続稼働がせいぜいでした.ずば抜けた高性能かつ連続稼働ができるという事が,「京」が世界一と絶賛される所以です.

事業仕分け第4段始動2011年10月20日 20時46分52秒

行政刷新会議(第21回)が本日行われました.
こちらに資料があります.
ワーキンググループの設置や,評価者(民間有識者)の選び方等が出ています.ただ,あくまで「行政全般、個別の行政分野の在り方等に識見を有する者」であるので,自然科学分野の基礎研究についての識見が全くない人が選ばれる可能性もあります.(以前にはそうとしか思えない方もいらっしゃいました)

11月下旬に行われるとの事です.

さて,これだけ大騒ぎして進める国の事業ですから,当然の事ながら以前の事業仕分けに対する事後評価というものが必要ではないでしょうか.つまり,以前行った事業仕分けが果たして適切だったかどうかという事です.そうすると,もしかしたら大臣の更迭,国会議員の仕分け担当からの更迭,あるいは民間有識者の再任不可ということがあるかもしれません.「自分たちは絶対に正しい」と考えず,謙虚な気持ちで自分たちも第三者から評価(仕分け?)される事も必要です.

独立行政法人の役職員の給与等の水準2011年09月03日 15時53分31秒

総務省からこういうデータが出ています.
独立行政法人の役職員の給与等の水準(平成22年度)〔概要〕
いろいろなマスコミで報じられ,Yahoo!ニュース等では叩くコメントも散見されます.
現状を知っている私からいうと,高くなるのは仕方がない面があります.JAXA理化学研究所原子力機構産総研などの,国の最先端の科学技術に関する研究を行っているところ(しかも大所帯)が,国の所管ではなく独立行政法人になっています.これらの組織には,博士号を持ち,高度な研究能力,技術力を持つ研究者,技術者が大勢居ます.それなりの能力を持つ人には,それなりの待遇をする必要があるでしょう.
そうでないと,民間企業で問題になっているように,諸外国から引き抜きに遭ってしまいます.(私のところにも,なぜか海外からのオファーが来た事があります)
ただし,統計を出す時に改善してほしいのは事務・技術職員という区分です.やっている仕事は相当違うと思います.私の職場では事務職と技術職は明確に分けられています.これを事務職員と技術職員に分けて公表したら,問題があるのかより明確になるでしょう.
国家公務員は所管の独立行政法人の職員に指図するのが仕事という問題もありますが,これはなかなか解決しそうにありません.(ヒラの国家公務員が,独立行政法人の管理職をこき使う例をいくつも知っています)