日本初の商用メールマガジンの話(その3)2009年03月24日 21時57分45秒

Impress Watch 年表というものがあります.2006年に10周年を迎えた際に作成されたものです.(先日の創刊1996年4月1日1996年2月1日の誤りでした)
1996年2月にINTERNET Watchが創刊され,この週刊ダイジェストとして3月にFREE Watchが創刊されました.創刊前の事前アンケートで「月額400円ならば読む」という回答が多く寄せられ,結果としてINTERNET Watchは月額300円となりました.その後,PC Watch が7月に創刊されました.
少々変わっているのは『窓の杜』です.このサイトはもともと,『秋保窓』というWindows用のフリーウェア,シェアウェアを紹介しているサイトが東北大学のサーバーの中で公開されていました.ところが,企業の広告を載せるという事で「国立大学の関係者が学術目的のネットワークを,営利目的に利用している」という批判がなされた事等があり,移設したという経緯があります.
その他にもいくつかの企業と組んで創刊されたWatchシリーズはありますが,諸処の理由により休刊となっています.

私が関わっていたのはINTERNET Watchです.編集部は少人数でかなり無茶な労働体制で調査,編集作業を行っており,当時のメールの発行時間帯を見ると,日が変わった午前という事が当たり前のようにありました.海外(特にアメリカ)から飛び込みのニュースがあり,それに対応するとなるとやはり遅くなるのでしょう.また,編集者やWatcherが執筆した記事は,副編集長の山下氏の鋭いチェックが入り,OKが出て初めて掲載されるというものでした.よりよい記事を作るための,真っ正面からの意見のぶつかり合いも耐えなかったと聞きます.
病気で休む編集者が続出し,綱渡り状態で発行していた事もありますが,さらに編集部だけでなく日本のインターネット自体を揺るがす事態が1997年に発生します.その事については,後日記します.