高校生の挑戦求む!2010年12月06日 22時23分29秒

江戸時代に「算額」と呼ばれる額が神社に奉納されました. 数学の問題を記した絵馬の事です.ここにいろいろあります.ある種の挑戦状の様な意味合いのものもあったようです.高校,大学レベルの問題もあり,当時の日本の数学のレベルが高かった事が推測できます.

さて,私が一時的に受け持った高校生は今年度,大学受験です.希望通りの進路に進めるか,大いに気になるところです.とはいえ,あっさり進むようだと「日本全体の学力レベルが下がっている」という事を痛感させられるのですが....少なくとも私が高校生の頃よりは,全体的には下がっていると思います.(上位層には優秀な若者が今でも居ますが,層が薄くなっている様に感じます)

さて,そんな高校生に物理の問題です.
今年は小惑星探査機はやぶさが地球に帰還しました.帰還の際,最後に地球の重力で落下して燃え尽きました.
これを踏まえた問題です.

地球の半径を6400[km],表面での重力加速度を9.8[m/s^2]とします.静止衛星は地球の上空36000[km]のところを回っています.これは静止衛星が地球の周りを24時間で一周する様にぐるぐる回る事により,遠心力と地球からの重力が釣り合っているため,落ちてこないのです.
もし高度36000[km]の位置で衛星が静止していた場合,地球の表面に6時間以内に落下する事を示しなさい.(時間制限に誤りがあるので,12/7に訂正しました)
地球が球だという事を使ってもいいです.また,重力では「地球の質量と同じ質量の質点を,地球の代わりに地球の中心の位置においた場合,地表の位置の重力は変わらない」という性質があります.(詳しくは大学1年の力学で扱います)
答えが分かった人は,コメント欄に解法と連絡先を記していただければ講評します.私の解答時間は,暗算で10分程度です.