10月28日の仕分け2010年10月26日 23時07分40秒

10月28日の事業仕分けスケジュールが公開されています.
10月27日18時に差し替えられました.詳細は上記リンクを御覧下さい. 急ぎの方のために概要を掲載します.
ワーキンググループAは長妻昭議員が活躍しそうなものが並んでいます.

ワーキンググループA
  • 10:00-10:55 年金特別会計 社会保険事業運営費1
  • 11:00-11:55 年金特別会計 社会保険事業運営費2
  • 13:00-13:55 年金特別会計 児童育成事業
  • 14:00-14:55 年金特別会計 制度のあり方
  • 15:00-16:30 国債整理基金特別会計 制度のあり方
ワーキンググループB
  • 10:00-10:55 社会資本整備事業特別会計 費用便益分析について
  • 11:00-11:55 社会資本整備事業特別会計 治水事業の選択と集中、河川等の管理のあり方
  • 13:00-13:55 社会資本整備事業特別会計 道路整備事業の選択と集中、国道の管理のあり方
  • 14:00-14:55 社会資本整備事業特別会計 港湾事業の選択と集中
  • 15:00-16:25 社会資本整備事業特別会計 (空港整備勘定) 空港整備・維持運営のあり方、制度のあり方
  • 16:30-18:00 社会資本整備事業特別会計 制度のあり方

事業仕分け第2弾を思い出すと2010年10月26日 23時14分37秒

事業仕分け第2弾はネット中継をいくらか眺めて,「有識者」があまりに物を知らずに判断を下している事に憤った様に思います.
最近,日中関係がギクシャクして,「レアアース」の入手が困難になっている事が取りざたされています.今年1月のエントリーで,2年ほど前に高校生にこのあたりの事を教えた事を書きました.補足しますと,チベットが産出の大部分を占めているのは,「掘削する労働力が安く,低価格で出荷しているから」という要因もあるようです.
さて,レアアースに代わる代替の素材を探求する事や,レアアースの使用量をおさえる技術開発を推進しようというのが,最近の政府の方針のようです.ところで,こういう素材を研究開発する組織として,物質・材料研究機構があります.ニュースリリース広報誌を見ると,実に様々なものを研究開発している事がわかります.こういうところが研究を進めればいいと思う訳ですが,事業仕分け第2弾でこの法人のあり方を検討(理化学研究所と統廃合)という判断を下しています.つまり,一度潰す方針を立てておきながら,今更推進しようという訳です.
今の政府は,特に科学技術政策で大局的な見通しがなく,行き当たりばったりでやっているように思われてなりません.自然科学系研究者,技術者にとって将来が暗い国になってしまったように思えます.これでまた,過去に叫ばれた「頭脳流出」という事態がまた進行するのではないでしょうか.(私の所に海外からオファーが来たら,検討させていただきます)

10月27日の仕分け結果2010年10月27日 23時21分19秒

10月27日の事業仕分け結果が全部ではありませんが公開されています.
急ぎの方のためにスケジュールに追加する形で概要を掲載します.

ワーキンググループA
  • 9:30-10:55 貿易再保険特別会計 制度のあり方
    • 枠組みのあり方:特別会計の廃止(国以外の主体に移管)
    • 資金のあり方(積立金の取扱い):抜本的見直し
    • 資金のあり方(剰余金の取扱い):抜本的見直し
  • 13:00-13:35 労働保険特別会計 雇用保険二事業1 職業情報総合データベースの運営等
    事業の廃止
  • 13:40-14:55 労働保険特別会計 雇用保険二事業2
    1. ジョブカード制度普及促進事業:事業廃止
    2. キャリア形成促進助成金(ジョブカード制度関連):事業廃止
    3. 介護雇用管理改善等対策費:予算の縮減を行ったうえで、見直しを行う
    4. 特定求職者雇用開発助成金:見直しを行う
    5. 若年者等正規雇用化特別奨励金:見直しを行う
    6. 職業能力開発校施設整備費等補助金:見直しを行う
    7. 離職者等の再就職に資する総合的な職業能力開発プログラムの展開:見直しを行う
  • 15:00-15:55 労働保険特別会計 雇用保険二事業3
    1. (財)産業雇用安定センター(運営費補助):運営費補助の廃止
    2. (財)介護労働安定センター(交付金):交付金の廃止
  • 16:00-17:25 労働保険特別会計 制度のあり方
    1. 労災勘定:雇用勘定に関し、雇用調整助成金以外の必要性の低い雇用保険二事業は、特別会計の事業としては行わない。労災保険の社会復帰促進等事業については原則廃止
    2. 雇用勘定:現状維持
    3. 徴収勘定:事業の見直しにより剰余が生じた場合には、必要な積立金の水準を維持しつつ、受益者負担の引き下げを図るべき
ワーキンググループB
  • 9:30-11:25 漁船再保険及び漁業共済保険特別会計 制度のあり方
    • 枠組みのあり方(主体・区分経理):特会内の漁業系3勘定を統合するとともに、農業共済再保険特別会計等とも統合。
    • 資金のあり方(積立金の取扱い):積立金の水準の見直し
    • 財産・負債のあり方(負債):抜本的見直し
  • 13:00-14:55 農業共済再保険特別会計 制度のあり方
    • 枠組みのあり方(主体・区分経理):漁船再保険及び漁業共済保険特別会計と統合 ほか
    • 資金のあり方(積立金の取扱い):積立金制度の抜本的見直し。積立金の水準の見直し。
  • 15:00-15:55 食料安定供給特別会計 農業経営基盤強化事業
    1. 農地保有合理化促進事業:予算要求を10〜20%程度圧縮
    2. 農地利用集積事業:事業内容を見直し、予算要求を10〜20%程度圧縮
  • 16:00-16:55 食料安定供給特別会計 食糧管理
    見直しを行い、予算要求の10〜20%程度圧縮を図る。
  • 17:00-17:55 食料安定供給特別会計 制度のあり方
    • 統合。食料に関する新たな特別会計に再編。(食料安定供給特別会計、漁船再保険、漁業共済保険特別会計及び農業共済再保険特別会計)
    • 経営基盤強化勘定は廃止。
    • 経営基盤強化勘定の国有農地・備蓄倉庫など一般会計に移管。有利な価格で売却を図る。
いやはや,バッサバッサ切られています.でも,こういう切り方をすると,役員や正規職員が影響をあまり受けず,非正規職員の解雇に繋がったり,現場の事業費削減に繋がるから,サービス低下,雇用の悪化に繋がるという恐れもあります.

10月29日の仕分け2010年10月27日 23時38分01秒

10月29日の事業仕分けスケジュールが公開されています.
急ぎの方のために概要を掲載します.

ワーキンググループA
  • 10:00-10:55 エネルギー対策特別会計 導入等補助事業等1
  • 11:00-11:55 エネルギー対策特別会計 導入等補助事業等2
  • 13:00-13:55 エネルギー対策特別会計 電源立地対策費
  • 14:00-14:55 エネルギー対策特別会計 電源利用対策費
  • 15:00-15:25 エネルギー対策特別会計 (1)エネルギー需給勘定 (2)電源開発促進勘定 制度のあり方
  • 16:30-17:10 特許特別会計 特許事業1
  • 17:15-17:55 特許特別会計 特許事業2
  • 18:00-19:00 特許特別会計 制度のあり方
ワーキンググループB
  • 10:00-12:00 交付税及び譲与税配付金 特別会計
    1. 交付税及び譲与税 配付金勘定
    2. 交通安全対策特別 交付金勘定
    制度のあり方
  • 13:00-14:55 森林保険特別会計 制度のあり方
  • 15:00-16:00 登記特別会計 登記事業 登記情報提供システムの維持管理
ネット中継は行政刷新会議のサイトからリンクが張られ,そこで見る事が出来ます.
注目はワーキンググループAの14時からのものです.日本原子力研究開発機構の研究活動に関わる予算が含まれています.専門家たちによる外部評価とは別に,専門家が非常に少ない仕分け人がどのような評価を下すのでしょうか.後から「あれは間違いだった」と大慌てになるような結論だけは出さないでもらいたい物です.

10月28日の仕分け結果2010年10月29日 22時14分54秒

10月28日の事業仕分け結果が公開されています.
急ぎの方のために概要を掲載します.

ワーキンググループA
  • 10:00-10:55 年金特別会計 社会保険事業運営費1
    1. 日本年金機構運営費交付金:機構の運営に関し、意識改革の強化により徹底的な事業効率化を図るとともに予算要求の圧縮を図る
    2. 紙台帳等とコンピュータ記録との突合せ:紙台帳等とコンピュータ記録との突合せ総合評価方式を見直し、価格競争を重視した入札・調達に変えることによって予算要求を2割程度圧縮
    3. コールセンター運営事業:事業内容を見直して予算要求を2、3割程度圧縮。第4コールセンターは計画を撤回
  • 11:00-11:55 年金特別会計 社会保険事業運営費2
    1. ねんきんネット:郵便局における事業の見直しなど予算要求は全体的に1/4程度圧縮
    2. ねんきん定期便事業:できるだけ早期にネットに移行することとし、予算要求を3割圧縮
    3. 所在不明高齢者対策:地方公共団体が本来業務として責任を持っている部分は地方公共団体に実施していただく方向で見直し
  • 13:00-13:55 年金特別会計 児童育成事業
    1. 子育て支援サービス事業費等:子育てと仕事の両立という本来の目的に合致する施策に厳しく絞り込む。予算要求の圧縮(25%目処)
    2. 児童館巡回支援活動等事業:子育てと仕事の両立という本来の目的に合致する施策に厳しく絞り込む。予算要求の圧縮(25%目処)
  • 14:00-14:55 年金特別会計 制度のあり方
    • 枠組みのあり方(主体・区分経理):新たな制度設計の中であり方を検討 (児童手当・子ども手当勘定については、負担者である事業主の納得感が得られるような予算のあり方にすべき)  (業務勘定については、予算を不断に厳しく見直すべき)
    • 資金のあり方(積立金の取扱い):新たな制度設計の中であり方を検討 (年金制度の持続性や年金財政についての正直な現状分析に立って議論すべき)
    • 財産・負債のあり方(有形固定資産):普通財産・未利用地の有効活用や計画的な売却の促進
    • 財産・負債のあり方(負債):負債の抑制 (協会健保の未収金が安易に特会や国民の負担にならないように取り扱いに配慮)
  • 15:00-16:30 国債整理基金特別会計 制度のあり方
    • 枠組みのあり方:現状の制度を継続。 事務事業費については一般会計に移管し、国債整理基金特別会計は純粋な整理区分特別会計とするよう検討
    • 資金のあり方(積立金の取扱い):現状維持。 わが国の国債への信認向上につなげるべく、オペレーショナルリスクに十分配慮しつつ、繰上償還に充てることも含めた検討を行う
ワーキンググループB
  • 10:00-10:55 社会資本整備事業特別会計 費用便益分析について
    (1)治水事業 (2)道路整備事業 (3)港湾整備事業 (4)空港整備・維持運営:情報公開の推進、責任者の明確化、文書の保存期間等充実させたうえで見直しを行う
  • 11:00-11:55 社会資本整備事業特別会計 治水事業の選択と集中、河川等の管理のあり方
    1. 治水事業:事業内容を見直すとともに予算要求を10%〜20%圧縮
    2. スーパー堤防事業:事業の廃止
    3. 水資源開発事業交付金:事業内容を見直すとともに予算要求を10%〜20%圧縮。水資源開発機構については、利益剰余金の国庫返納を早急に検討
    4. 河川・砂防の管理:事業内容を見直すとともに予算要求を10%〜20%圧縮
  • 13:00-13:55 社会資本整備事業特別会計 道路整備事業の選択と集中、国道の管理のあり方
    (1)道路整備事業 (2)直轄国道の管理:事業内容を見直し、予算要求を10〜20%程度圧縮
  • 14:00-14:55 社会資本整備事業特別会計 港湾事業の選択と集中
    事業内容を見直すとともに予算要求を10%〜20%圧縮
  • 15:00-16:25 社会資本整備事業特別会計 (空港整備勘定) 空港整備・維持運営のあり方、制度のあり方
    1. 空港整備・維持運営のあり方:事業内容を見直し、予算要求を10%までの圧縮幅で見直す
    2. 制度のあり方
      • 枠組みのあり方(主体・区分経理):廃止(早急に民営化等を進めることとするが、当面は暫定的に区分経理)
      • 特別会計の財産と借金のあり方(負債):抜本的に見直す(歳出合理化、ガバナンスの強化等により、国民負担を生じさせないようにする)
  • 16:30-18:00 社会資本整備事業特別会計 制度のあり方
    社会資本整備事業特別会計は、廃止する
    道路整備勘定、治水勘定、港湾勘定、業務勘定は廃止し、一般会計化する
この中で私が注目するのは,
ねんきん定期便事業:できるだけ早期にネットに移行することとし、予算要求を3割圧縮
です.年金記録問題は消えた年金と騒がれ,社会問題になりました.Yahoo!ニュースでも年金記録問題というトピックがあるほどです.自分の年金が消えていないか確認するために2009年4月から始まったのが,ねんきん定期便です.長妻昭議員も厚生労働大臣になって,年金記録問題解消のために推進していたのではないでしょうか.これを縮小するといっても,パソコンを使って自分の記録を調べる高齢者がどれくらい居るのか疑問です.また,低所得でパソコンを持っていない人には,どうしようもありません.「弱者の味方」といいつつ,この仕分けは弱者切り捨ての可能性が非常に高いように思えます.