地球で生成しうる最大エネルギー ― 2009年08月26日 22時50分00秒
地震のマグニチュードがとんでもない事になっていた事に関連して,地球で生成しうる最大エネルギーがどれくらいか計算してみます.
最大エネルギーは,Einsteinの質量とエネルギーの等価の式 E=mc^2で地球の全質量をエネルギーに変える事です.
地球の質量は5.9742 × 10^24 [kg] です.
光速は 2.9979 x 10^8 [m/s] です.
エネルギーは E=5.3693 x 10^41 [J] です.
さて,地震のマグニチュードに換算してみます.マグニチュード(M)は
log E = 4.8 + 1.5M
と表されます.左辺は常用対数です.ここのEに代入してMを求めると,
M=24.620
となります.マグニチュードは数字が2増えるとエネルギーが1000倍大きくなります.
もちろん,地球の質量が全エネルギーに変わるのは無茶です.現実的な地震の話を考えてみます. 史上最大規模の地震が1960年のチリ地震で,この定義のマグニチュードに近いモーメント・マグニチュードで9.5です.
それではマグニチュード9.5のエネルギーに変換するのに必要な質量を計算してみると,
m = 124.84[kg]
となります.核兵器は大変な破壊力を持ちますが,破壊前後で100kg以上も質量が変化する事はありません.1/1000以下です.
これを考えると,自然災害のエネルギーの大きさが改めて大きく感じられます.
最大エネルギーは,Einsteinの質量とエネルギーの等価の式 E=mc^2で地球の全質量をエネルギーに変える事です.
地球の質量は5.9742 × 10^24 [kg] です.
光速は 2.9979 x 10^8 [m/s] です.
エネルギーは E=5.3693 x 10^41 [J] です.
さて,地震のマグニチュードに換算してみます.マグニチュード(M)は
log E = 4.8 + 1.5M
と表されます.左辺は常用対数です.ここのEに代入してMを求めると,
M=24.620
となります.マグニチュードは数字が2増えるとエネルギーが1000倍大きくなります.
もちろん,地球の質量が全エネルギーに変わるのは無茶です.現実的な地震の話を考えてみます. 史上最大規模の地震が1960年のチリ地震で,この定義のマグニチュードに近いモーメント・マグニチュードで9.5です.
それではマグニチュード9.5のエネルギーに変換するのに必要な質量を計算してみると,
m = 124.84[kg]
となります.核兵器は大変な破壊力を持ちますが,破壊前後で100kg以上も質量が変化する事はありません.1/1000以下です.
これを考えると,自然災害のエネルギーの大きさが改めて大きく感じられます.
不思議な勧誘 ― 2009年06月14日 11時00分36秒
研究者であり,成果を色々な所で発表しているためか,勧誘がしばしば届きます.ありがちなのは,以前に発表した国際会議の主催者が,今後開催する会議の案内を送って来るとか,前に投稿した論文誌からさらに投稿の勧めが来るとかです.
私の分野は論文の査読,印刷の前にpreprintという形でインターネット上に原稿を公開し,先取権を主張するため,このpreprintサーバーを見れば誰がどんな論文を書いているか無料で分かります.本家のpreprintサーバーです.
ところが論文の投稿料(雑誌の記事とは違い,執筆者がお金を払って掲載してもらう)目当てなのか,開発途上国の論文誌からも案内が来ます.しかも物価が大きく異なるにもかかわらず,投稿料が先進国の雑誌とあまり変わらなかったりします.さらには,論文投稿ではなく編集者としての勧誘が来る事もあります.何がどうなっているのやら.
会議などの案内ですが,手広くやっているためか理論物理全般,情報科学の他の分野からもなぜか来ます.先日は,医薬品開発の国際会議の案内が来ました.どういう事をしたら,私がその分野の研究者に含まれるのでしょう???不思議です.
私の分野は論文の査読,印刷の前にpreprintという形でインターネット上に原稿を公開し,先取権を主張するため,このpreprintサーバーを見れば誰がどんな論文を書いているか無料で分かります.本家のpreprintサーバーです.
ところが論文の投稿料(雑誌の記事とは違い,執筆者がお金を払って掲載してもらう)目当てなのか,開発途上国の論文誌からも案内が来ます.しかも物価が大きく異なるにもかかわらず,投稿料が先進国の雑誌とあまり変わらなかったりします.さらには,論文投稿ではなく編集者としての勧誘が来る事もあります.何がどうなっているのやら.
会議などの案内ですが,手広くやっているためか理論物理全般,情報科学の他の分野からもなぜか来ます.先日は,医薬品開発の国際会議の案内が来ました.どういう事をしたら,私がその分野の研究者に含まれるのでしょう???不思議です.
今日は何の日? ― 2009年03月14日 22時40分12秒
「今日は何の日?」と聞くと,ホワイトデーという答えが返って来るかもしれません.この話題は置いておくとして,130年前の3月14日はアルバート・アインシュタインが生まれた日です.
アインシュタインはドイツのウルムで生まれ,まもなくミュンヘンに移ります.15歳の時に,一家の事情でイタリアのミラノに移ります.チューリヒ連邦工科大学の受験に一度失敗し,翌年入学します.この頃には既にドイツ国籍を放棄しています.
大学ではミレーバ・マリッチという女学生と出会います.後の最初の妻となる女性です.大学を卒業後,当時の物理学教授と不仲だったために職を大学に得られず,友人の父親の紹介で特許庁の審査官になります.特許庁での勤務の傍ら,博士号取得のために独自に研究を続け,その成果は1905年,26歳の時に奇跡の年と呼ばれる3本の世界的な論文として結実します.「光量子仮説」「ブラウン運動」そして「特殊相対性理論」です.
今の時代もそういう傾向がありますが,無名な研究者が革新的な理論を提唱しても,なかなか注目されません.この時は量子力学の創始者の一人とされるマックス・プランクに論文が注目され,次第に研究者として脚光を浴びる事になります.
この後の活躍は有名なので,ここでは記さない事にします.
アインシュタインはドイツのウルムで生まれ,まもなくミュンヘンに移ります.15歳の時に,一家の事情でイタリアのミラノに移ります.チューリヒ連邦工科大学の受験に一度失敗し,翌年入学します.この頃には既にドイツ国籍を放棄しています.
大学ではミレーバ・マリッチという女学生と出会います.後の最初の妻となる女性です.大学を卒業後,当時の物理学教授と不仲だったために職を大学に得られず,友人の父親の紹介で特許庁の審査官になります.特許庁での勤務の傍ら,博士号取得のために独自に研究を続け,その成果は1905年,26歳の時に奇跡の年と呼ばれる3本の世界的な論文として結実します.「光量子仮説」「ブラウン運動」そして「特殊相対性理論」です.
今の時代もそういう傾向がありますが,無名な研究者が革新的な理論を提唱しても,なかなか注目されません.この時は量子力学の創始者の一人とされるマックス・プランクに論文が注目され,次第に研究者として脚光を浴びる事になります.
この後の活躍は有名なので,ここでは記さない事にします.
正月早々 ― 2009年01月04日 23時24分10秒

気になる研究のトピックがあったので,少し進めてみました.
添付したような図が得られたのをはじめとして,いろいろな成果が出たので,春の学会の発表は十分に出来そうです.(これは宇宙物理ではありません)
少し安心しました.
でも,まだまだ別の課題が山積みです.
添付したような図が得られたのをはじめとして,いろいろな成果が出たので,春の学会の発表は十分に出来そうです.(これは宇宙物理ではありません)
少し安心しました.
でも,まだまだ別の課題が山積みです.
J.J.Thomson 親子のノーベル賞 ― 2008年12月31日 10時56分20秒
UK-JAPAN2008のクリスマス企画で書いているイギリスの物理学者の話です.J.J.トムソン(Joseph John Thomson,1856~1940年)の続きです.
ジョセフにはジョージ(George Paget Thomson、1892〜1975年)という息子がいました.彼もケンブリッジ大学のトリニティカレッジで数学と物理学を専攻します.途中,第一次世界大戦では軍務についていました.終戦後は父と同様に物理学者の道を進みます.
量子力学が成立する時代で,ド・ブロイの物質波の理論を受けて,電子波の研究に取り組みます.1927年に,金属に電子線を当てる事により回折,干渉現象を示しました.つまり電子線が波としての性質を持つという事を示しました.
この業績により、1937年にジョージはノーベル物理学賞を受賞します.物質には波と粒子の二重性がある事が量子力学では考えられますが,父のジョセフは電子の粒子性,息子のジョージは電子の波動性でノーベル物理学賞を受賞したということになります.
ジョセフにはジョージ(George Paget Thomson、1892〜1975年)という息子がいました.彼もケンブリッジ大学のトリニティカレッジで数学と物理学を専攻します.途中,第一次世界大戦では軍務についていました.終戦後は父と同様に物理学者の道を進みます.
量子力学が成立する時代で,ド・ブロイの物質波の理論を受けて,電子波の研究に取り組みます.1927年に,金属に電子線を当てる事により回折,干渉現象を示しました.つまり電子線が波としての性質を持つという事を示しました.
この業績により、1937年にジョージはノーベル物理学賞を受賞します.物質には波と粒子の二重性がある事が量子力学では考えられますが,父のジョセフは電子の粒子性,息子のジョージは電子の波動性でノーベル物理学賞を受賞したということになります.
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