光速より速く動くニュートリノ?2011年09月23日 21時22分53秒

高エネルギーのミュー型ニュートリノの速さを世界最高精度で精密に測定(名古屋大学プレスリリース)
OPERA実験で,CERNから発射されたミュー型ニュートリノが730km離れたイタリアの検出器で検出された際,光速で届く場合よりも1億分の6秒速く届いていたという事です.
特殊相対論から導出される相対論的力学では,質量のある粒子の運動量は,光速に近づくと無限大に発散します.つまり,質量のある粒子は光速に到達できないというわけです.
ニュートリノに質量があるという話は,例えば戸塚洋二氏率いるスーパーカミオカンデグループの「ニュートリノ振動の検出」で示されています.今回の観測は,光速に到達できないどころか,光速を超えてしまうという話になります.
実験結果の精密な再検証,他の機関での追実験がなされるでしょう.ただ困った事に,日本ではスーパーカミオカンデにニュートリノを打ち込むT2K実験を行った加速器J-PARCは,東日本大震災で大変な被害を受けたので当分復旧できません.

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