歴史上の学者の仲間入り?2010年02月21日 17時42分13秒

ここ2週間ほど,以前の研究の論文でゴタゴタが起きていました.歴史上の学者に並ぶ事があったわけです.ここで,歴史に名を残す若くして亡くなった2人の数学者を挙げます.

アーベル(Niels Henrik Abel,1802-1829)
ノルウェーの数学者.
一般の5次方程式を代数的に解く事が不可能である事を証明.(1824)
楕円関数に関する研究,群論に関する多大な研究業績を挙げる.
ところが彼の研究はガウスからは不快感を示され,コーシー(Cauchy)は彼の論文を放置.
27歳で(婚約者に看取られながら)肺結核で死去.
翌年の1830年に,フランス学士院数学部門大賞を受賞.
2001年に彼の名を冠した数学の賞,アーベル賞(賞金約1億円)制定.

ガロア(Evariste Galois, 1811-1832)
フランスの数学者.
5次以上の方程式は一般に,代数的に解く事が不可能である事を証明.(1824)
体論や群論の先見的な研究を行う.
17歳にして素数次方程式を代数的に解く方法を発見したが,その論文は提出後,コーシーが紛失.論文再提出を求められたが,今度は論文を預かったフーリエ(Fourier)が急死し紛失.
20歳で決闘の傷がもとで腹膜炎を起こし死去.


彼らと私の共通点は,提出した論文が紛失されたという点です.もっとも,彼らの論文は100年後の数学を指し示す,大変な注目を浴びる様な大論文です.私の方は,せいぜいここ30年ほどの研究を取りまとめ,私なりの知見や今後の方針をいくつか示しただけです.(それでも50ページくらいあります)
私の方は論文執筆を依頼された訳で,電子投稿をしたのですが,編集部がどこかへやってしまったそうです.出版物の目次から漏れているので問い合わせたところ,大慌てで再送の連絡が来ました.送ったらすぐに目次に加えてもらえましたが,ヒヤヒヤものでした.
出版されなければ公開しない予定だったので,業界の進歩がほんのちょっと遅れていたかも知れません.論文は近日中にpreprintで公開予定です.

若き数学者の話は,以下の本がおすすめです.

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