宇宙エレベータとスペースデブリ2009年07月26日 12時22分17秒

学生さんたちは夏休みなので,夏休みらしく夢のある話を一つ.
現在,国際宇宙ステーション計画が進められています.日本の実験棟「きぼう」が完成したというニュースが先日ありました.
ところで,ステーションの資材はスペースシャトルやロケットで輸送しています.これは,キログラム当たりの輸送コストが大変かかります.しかも,頻度が上げられません.どうにかならないでしょうか.
将来の夢のような技術として,軌道エレベータ(宇宙エレベータ)というものがあります.まさに地上からエレベータで宇宙に物を持ち上げるというものです.宇宙エレベーター協会という社団法人が日本で立ち上がっているほどでして,非現実的というわけではありません.
実現のためには軽くて丈夫で,かつ長くできるケーブルの作成が不可欠です.もちろん,ゴンドラの機密性もあります.ケーブルの候補がなかなかなかったわけですが,最近ではカーボンナノチューブが有力視されています.
Wikipediaの記事が詳しいですが,ここで問題になる事の一つはスペースデブリです.蜘蛛の糸のようなゴンドラのケーブルにスペースデブリが衝突して,ケーブルが切れたら芥川龍之介の小説のように,地上に落下してしまいます.もちろん,支えているのが細いケーブルなので,人為的な破壊行為にも弱いでしょう.解決しなければならない課題は多い様です.