日本で建設中の大型電波望遠鏡2008年11月06日 16時49分20秒

電波望遠鏡(干渉計)を日米欧の国際プロジェクトとして建設しようというものとして,ALMA Projectがあります.チリのアタカマ砂漠に建設中で,日本も積極的に関与しています.進行状況はこちらで見る事が出来ます.
こちらは大掛かりなプロジェクトですが,大学の一研究室で電波望遠鏡(干渉計)を建設しようという計画も動いています.早稲田大学の那須パルサー観測所です.私立大学が建設しようとしている試み自体が日本では珍しいのですが,一つの研究室が建設するものとしては異例の規模です.固定しているとはいえ30m径の球面鏡が1つ,20mの球面鏡が8つです.既に稼働しており,いろいろな観測結果が出ているようです.
このグループはかつて,新宿に電波干渉計を設置していました.観測する電波の波長帯は通信に用いられない1.4GHzのものだったのですが,最近は携帯電話が1.5GHzの電波を使い,悪影響が出ているようです.そこで人口の少ない那須で観測を本格的に行っているようです.
このグループの特徴は,二次元に並べた干渉計です.今後の展開を考えると,20mの球面鏡を二次元に並べる事が予想されます.そうすると,アレシボ天文台には匹敵しないものの有効口径が非常に大きく,かつ多方向を同時に観測できる,とてつもない機器になります.今後の展開にちょっと注目してみたいところです.